平仮名から漢字へ
何故?

私が産まれたとき、平仮名の名前で登録されました。
戸籍謄本も住民票も、公式な書類すべてに平仮名です。
理由はちゃんと聞いたことがありませんが、姓名判断とか宗教の類いではないとの事。まあ、変わり者の家系ですから・・・

トラブル

小学校低学年のうちは「覚え易い、書き易い」と便利に使っていましたが、学年が上がるにつれてトラブルも増大。
テストのときに「名前をふざけて書かないように」と怒られたり、進学や検定試験などで「本名で書いて下さい」とクレームが来たり。

その度に「平仮名の名前なんです」と説明するのですが、相手も「それは『通名』の話で、戸籍上は漢字があるんですよね?」などと小賢しい事を聞いてきたりして、ますます面倒な事に。免許とかパスポートとか持ってない年なので身分証明が大変でした。
このまま大人になるのは面倒なので、なんとかしたいと思い続けていました。

改名

そんな折、図書館で(何故か)法律関係の本を読んでいると、「名の変更に関する法律」というページがありました。要約すると、一定の条件を満たせば、名の変更は可能という事です。
典型的な事情として7つの例があるようです(「奇妙」「難解」「同姓同名」「異性と紛らわしい」「外国人と紛らわしい」「神官・僧侶になる」「通名」)
家庭裁判所に出向くと「名の変更許可申立書」があったので「奇妙な名である」にマルをして提出。後日、家庭裁判員と5分ほど面談して改名が認められました。(記入例

社会人の改名はもう少し難しいようです。借金や保証人逃れで改名しようとする人もあるようなので、事前審査が厳しいんだとか。そりゃそうですね。
改名の事実は戸籍に残りますが、変更後に本籍地を変更すると抹消されます。離婚とかと同じですね。

僕の場合は成人したばかりの学生だったので審査も簡単だったようです。
裁判所からの許可証(?)を市役所に届けて手続き完了。

その後

「名前を変えると古い友人から探しにくいかな?」と心配でした。しかし、親しい人には年賀状で連絡済みだし、親しくない人は名前の読みが一致していれば本人と認識してもらえるようです。
実際、改名後でもネット上で「あのkinoさんですか?」と連絡が来ることもありました。(珍しい名字という事も幸いしたのでしょうが)

感想

特に誰とも相談せず、名前も適当に決めてしまいましたが、今や平仮名だった時代を思い出せないぐらい重宝しています。
時期的にも、親の同意が不要で、「社会的責任」の発生する前だったからちょうど良かった。

君の名は
元首相

「名の変更」というと、「田中角栄くん改名騒動」とか「悪魔ちゃん命名騒動」を思い出す人も多いようです。
前者は元首相の田中角栄にあやかって命名したもの。ロッキード事件で評判が落ち、イジメの原因になったために改名を申請したという騒動です。新聞でも大きく扱われました。
これは「名の変更の要件」の「奇異」の解釈が問題だったようですね。いやしくも元首相の名前を「奇異である」と認めちゃうと、各方面に問題になりますから。

悪魔

後者は比較的最近(1993年)の出来事です。子供に「悪魔」と命名しようとして不受理とされたもの。そもそも人名漢字に「悪」とか「魔」が入っている時点で変なのですが、これと「命名権の濫用」で解釈が割れて、連日ワイドショーを賑わせました。

名前とは?

この2件の出来事があるために、「改名は大変だったんじゃないの?」と驚かれます。確かに「改姓」は難しいのですが、「改名」は要件さえ満たせば拍子抜けするほど簡単。もし自分の名前で嫌な思いをしている人が居たら、迷わず変えちゃっていいと思います。(未成年に限る)
親の願いとか画数なんて幻想です。名前なんて只の記号で、極論すれば番号でいいんです。
ただ、人間の脳は「No. 1823」よりも「まさる」とか「あきら」の方が覚えやすいから使ってるというだけの話でしょう。
偉い人の言葉を借りれば「名前とは、概念に貼られたラベルである」とのこと。ラベルを張り替えても中身は変わらない。でも、なるべく中身が探しやすい名前をつけましょう、という話でした。