Day1 2009年7月3日(金)
■地上超特急、東へ
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 週末は道東へ自転車旅行。自転車を袋に入れて移動し、現地で組み立てて走る、いわゆる輪行です。
 3年前に自転車で走って以来、道東のスケールの大きさに魅了されてしまいました。
 今回は土日しか時間が取れなかったので、前泊に後泊という贅沢をして、納沙布から摩周付近までを移動します。走行ルートはこちら

 以前、札幌-釧路間は「まりも」という深夜特急が運行していました。23:50に札幌発、翌朝6:00頃に釧路着。ホテル代も浮くし、朝一番から行動出来て便利でした。
 しかし、乗客数の減少から、北海道内発着の夜行列車は2008年ですべて廃止となってしまったのです。残念。(道内-本州の夜行は残ってます)

■シカたない
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 仕方ないので金曜19:58札幌発-23:53釧路着の「おおぞら13号」に乗車です。乗車4時間の長旅ですが、居眠りしたりビデオを見たりで、なんとか暇つぶし。帯広を過ぎ、あと1時間足らずで到着というところで、列車が急停車してしまいました。
 何事かと思っていると車内アナウンスが流れ「列車がシカと衝突したので、車両点検のため暫く停車する」との事。話には聞いたことあるけど、自分の乗ってる車両で起きるとは思わなかった・・・
 車掌さんが通路をバタバタと駆け回り、にわかに緊迫した感じ。あまり遅くなるとホテルにチェックインできないかもしれないので、ちょっと心配です。
 そこは流石にJR北海道。わずか15分で点検を終えて再出発となったのでした。結局、釧路着は24:10で、それほどの遅延にはならずにすみました。
 怪我をした乗客はいなかったようですが、コーヒーをこぼした人が居たようで、販売員の方が拭いて回ったのが唯一の被害らしい被害。
 まあ、これぐらいなら「北海道らしい体験」の一つですね。鹿さんのご冥福をお祈りします。

Day2 2009年7月4日(土)
■JR根室駅
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 釧路のホテルで一泊というか4時間ほど睡眠をとり、5:55の根室行きに乗車。電車の中でたっぷり居眠りして8:13根室到着です。札幌を出てから12時間、長い旅だった・・いや、俺たちの戦いはこれからだ!
 根室には他にも輪行の人が居ました。僕の輪行バッグは前輪だけ取り外して運ぶ簡易タイプですが、その人は前後輪を外して小さく折りたたむ上級者向けの物。
 ほぼ同時に自転車を組み立て始めたのですが、彼の方が早く作業終了です。すごいなあ。
 自転車で一人旅をするような人がフレンドリーなはずがないので(断言)、お互い一言も声を掛けず勝手に出発。そんなものです。

■東の果てへ
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 納沙布岬に行く前に「JR東根室駅」に寄り道。終点の「根室駅」は「日本最東端の有人駅」という微妙な扱いで、本当の日本最東端駅は一つ手前の「東根室駅」なのです。
 これまで何度か通過していますが、やはり駅に降り立ってみたいもの。15分ほどで到着すると、清々しいほど何もない、見事としか言いようのない無人駅でした。
 何枚か記念写真を撮って再出発。いよいよ納沙布岬を目指します。

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 ノサップまでは海岸線を通って22Kmの道のり。行きは半島の南側を通ってみました。風が少なくアップダウンも緩やかで、自転車で走るのは非常に気持ちいい。
 右に水平線、左に地平線という雄大な景色を眺めながら、約1時間で納沙布岬に到着しました。
 ここは前に来たことがあるので、ザッと見学して終了。曇っていたので北方領土は見えませんでした。
 帰りは半島の北回り。特にトラブルなく1時間で駅に到着。どうでもいい話ですが、下り坂で時速50Kmを出してしまいました。秒速14m、よく考えるとかなり怖いスピードです。調子に乗り過ぎた。

■再び輪行
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 根室駅から摩周まで走ってもいいのですが、時間的にちょっと厳しい。根室-厚床は前に走ったことがあるので、厚床まで輪行でショートカットです。ヘタレですみません。12:24根室発-13:14厚床着。
 さっきの輪行の人が同じ列車に乗っています。「同じルート?」とか思いましたが、彼は二つ手前の「別当賀」で下車。やっぱり一言も会話なし(笑)

■北西に針路を取れ!
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 厚床から摩周まで約80Km、推定4時間強の長丁場。野付郡の平野を自転車で横断します。
 今回は「ハンガーノック」対策をしてきました。
 余談になりますが、ここ10年ほど、山登りや自転車旅行をしていて「体力の限界」を感じることが何度かありました。体中から力が抜けて、足を10cm持ち上げることもできなくなるのです。
 「もう年だからな~」と半ば諦めかけていたのですが、モイワ山のように2時間以内で終わる登山だと全力で歩き続けられます。
 このギャップは何なんだろう? と考えると、この症状は「ハンガーノック」そのものです。
 運動するためには体にエネルギーが必要。しかし、体内に蓄えられた糖質はせいぜい2000キロカロリー。自転車だと数時間で使い果たしてしまいます(脂肪にはもっと蓄えられていますが、糖質が無くなった状態では脂肪が燃焼しない)。この「ガス欠状態」がハンガーノックということだそうです。
 カロリーメイトとアクエリアスを装備して、こまめに補給。驚くほどハイペースを保って走ることができたのでした。

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 ちなみに今回通り抜けた「別海町」は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」に1カットだけ登場しています(劇中では別海市)。聖地巡礼をまた一つクリア。
 あいにくの曇り空で、写真映えする景色には出会えませんでした。その代り、気温が低くて日焼けもしなかったから一長一短か。

■暗雲が立ち込める
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 3年前にこのへんを走ったときは、中標津から885号線を通ってパイロット国道(243号線)と交差しました。今回はパイロット国道を通って885号線と交差。心の中の「行ったことある地図」の線が繋がって、ちょっと嬉しい。ここから摩周までは40分、いよいよゴールが近付いてきました。
 しかし摩周に近づくにつれてどんどん視界が悪くなってきて、ついに小雨が降り始めました。
 予定通り摩周に行ってもいいけど、アップダウンが少し厳しい。予定変更して「JR磯分内駅」に行くことにしました。距離は同じだけど下りなので楽なはず。
 磯分内着は17:40。ほぼ予定通りです。本日の走行は140Km。観光スポットは1か所だけなので、あとは6時間黙々と走り続ける、苦行のような一日でした。まあ、ハンガーノック対策が有効なことが分かったので、次からはもっと大胆な計画が立てられます。
 釧路に戻ったら駅前で遊んで・・・と考えていましたが、ホテルに戻ったら速攻で寝てしまいました。勿体ない。

Day3 2009年7月5日(日)
■また会う日まで
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 帰りは7:39釧路発-11:25札幌着の「おおぞら4号」。窓の外はイヤミなぐらい晴れてますが、挫けません。
 道中はあまり眠くならず、iPhoneに入れたビデオ観賞で過ごしました。
 先日 iPhone 3GS を購入したので手元には2台の iPhone があります。3GSは電話/ネット/方位磁針用。現在地から目的地までの距離がすぐ出てくるのが便利でした。
 旧機種はGPS用にして EveryTrail でルートを取りました。iPhone は電池の消費が早いんだけど、3Gをオフにすると改善。一日中GPSを使っていて、ビデオを何時間か見ていたのに、まだ50%以上も残っています。やっぱり3G通信+ MobileMe は電池食うんだなあ。
 家に帰ったら昼の12時。そのまま翌朝まで爆睡。こうして貴重な土日を有意義に過ごしたのでした。俺たちの夏はこれからだ!?