満月以外の月食について

満月と月食

「月食は満月の日に起きる」と教わった記憶がありますが、その理由をきちんと説明するのは意外に難しいものです。
ネットのQ&Aを見ても教科書通りの「満月の日しか起きない」という内容がほとんどで、別の可能性について考察されることは殆どありません。
実は、「満月でない月食を見ることは可能」なのです。

月食はどうして満月に起きるのか?

「満月と月食」の一般的な説明は図の様になってます。「月が地球の影に入ると月食になる。このときの月の位置は満月である」というものです。
学校などではこの図を根拠に「月食は満月にしか起きない」と教えているようです。
Figure1.jpg
では「満月」とは何でしょうか? 「月の前面が太陽に照らされている状態」ですが、この「前」というのはあくまでも地球から見た話です。
つまり、地球から見て「半月」「三日月」であっても、宇宙船に乗って地球の外から観測すればいつでも「満月」は見られます。
Figure2.jpg

満月でない月食

では逆に、地球から見た満月の日に、欠けた月を見ることは可能でしょうか?
もちろん可能です。宇宙船に乗って図のカメラ2の場所に行けば、満月の日に欠けた月を見られます。
このときに皆既月食が起きたら、満月でない月が欠けることになりますね。
これが「満月でない月食」です。
Figure3.jpg
カメラ1とカメラ2から見た月食の様子が下図です。
右側は満月でないのに月食になっているのが分かるでしょうか。
anim_lunarphase.gif



2014年10月8日