「ポプラ並木」と「ポプラの並木」
北海道大学のポプラ並木は観光客に人気が高いが、北大内にはそれ以外にも「ポプラの並木」が複数存在する。
今回紹介するのは、かつて中央食堂横に植えられていた並木である。ここでは便宜上「理学部ポプラ」と称する。この並木は観光ポプラの途中にあったため、観光客が道に迷う姿が見受けられたという。
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伐採の経緯
北大施設部が2000年に行った調査により、理学部ポプラ12本のうち10本が危険木であるとの判断が下された。
伐採予定は2001年2月と発表されたが、学内の一部教員らが保存を求める運動を始め、札幌市民を交えた保存会と大学側で協議が行われる事となった。
落木による事故の危険性を主張する大学側と、危険木の判断基準が間違っているとする保存会側の話し合いは長引き、伐採予定日は順延を繰り返していた。
当初の予定より遅れる事1年、2002年1月25日からメインストリート通行止めの準備が始まり、翌26日早朝より伐採作業が始まった。
保存会と大学側に大きな衝突はなく、伐採を惜しむ市民らに身守られながら12本全てが当日中に伐採された。
伐採前
危険が告知される(2001年8月)
理学部ポプラと紅葉(2001年秋)
理学部ポプラの黄葉(2001年秋)
伐採当日【2002年1月26日】
見守る市民
インタビューに答える保存会
枝打ち開始
伐採の様子をメインストリート北側から見る
伐採の様子をメインストリート南側から見る
枝を払ったポプラをクレーンに固定する
根元をチェーンソーで切り離し、クレーンで横倒しにする
伐採が進む
切り株が並ぶ
最後の1本が倒される
伐採の翌日
その後
伐採された根にも生命力は残っていた。春になると新緑が芽吹き、夏には切り株が見えないほど葉が茂った。
再び並木として成長するかもしれないという大学側の説明もあったが、2002年9月には12本のうち6本の根が掘り起こされ、残された6本を花壇に見立てた公園へと改装された。
厳密に言えばポプラは、伐採された時に命を終えたのではなく、公園化によって終えたのだと言う事を覚えておきたい。
空洞化した切り株に水が溜まらないようベニヤ板で蓋をされる(2002年4月)
新緑が芽吹く(2002年7月)
意外な生命力を見せる(2002年8月)
薬剤によって生命力を奪われ、オブジェに改修された