ネタバレとは?
ネタバレとは、創作物に関する重要な情報を未見者に暴露してしまうことである。
推理小説の犯人や、物語の伏線、登場人物の生死への言及がこれに相当する。
またスポーツの勝敗など、創作物以外に対しても用いられることがある。
小説や映画の話をしているときにうっかりネタバレしてしまい、顔をしかめられた経験は誰にでもあるだろう。
では、未見者には一切の情報を伝えてはいけないのだろうか?
あるいは既見者となら何を話しても良いのだろうか?
これまでに経験した様々なネタバレを7つに分類してみた。
「この感動を誰かに伝えたい、だがしかし・・・」という場面で活用していただければ幸いである。
参考:
(1)ウィキペディアの「ネタバレ」項目
(2)ウィキペディアの編集方針
私家版ガイドライン
危険度 | バレ内容 | 具体例 | 解説 |
安全 | 公表された事実 | 不特定多数が聞いていたり、初対面の相手でも安全。 これで「ネタバレだ」と怒るような人は部屋から出ないほうがいいと思う。 既見者:○、未見者:○、オープンSNS:○、クローズドSNS:○
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わずかに危険 | 個人の感想 |
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ほぼ安全だが、原作重視派や信者はマイナス評価を嫌う傾向がある。 また「先入観ゼロの状態で作品を見たい」という潔癖な人もいる。 そういう人は大抵「めんどくさい」ので何を言っても文句が出ます。諦めて気にしない胆力が必要。 既見者:○、未見者:△、オープンSNS:○、クローズドSNS:○
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やや危険 | 技術面 |
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専門的すぎて何を話しているか分からないので危険性は低い。 不特定多数の中での会話は差し支えないだろう。 ただし、SFでは技術がストーリーに直結する場合があるので注意が必要。(例:○○くんはエバーに乗っていない時にもATフィールドが出せるんだね!」) 既見者:○、未見者:△、オープンSNS:○、クローズドSNS:○
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危険 | 登場人物 |
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危険である。相手が作品について語りたい場合に限ったほうが良い。 ただし、この種の情報は作品を見ていないと意味がないので、不特定多数の中での会話は差し支えないだろう。 既見者:△、未見者:△、オープンSNS:○、クローズドSNS:○
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わりと危険 | 重要な演出 |
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わりと危険である。未見者にこの種のネタバレを行うと恨まれる可能性が高い。 意外な盲点として、映画の鑑賞後に同伴者と会話していたところ、次回上映に並んでいる人から恨みの視線を向けられることがあるらしい。 不特定多数の中での会話には注意が必要。 既見者:△、未見者:×、オープンSNS:△、クローズドSNS:○
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とても危険 | 作品の傾向 |
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とても危険。作品の楽しみを一瞬で根こそぎ奪いかねない破壊力がある。 この種のネタバレをすると他人から石を投げられても仕方ないので気をつけよう。 不特定多数の中での会話を慎むべきであろう。 また、未見者から質問された場合でも必ず「本当に話して良いのか?」と確認を取るべきである。 既見者:△、未見者:×、オープンSNS:△、クローズドSNS:△
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非常に危険 | 作品の根幹 |
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非常に危険。未見者から作品を鑑賞する意欲を奪いかねない。 この種のネタバレをすると「ネタバレ人間」のレッテルを貼られて社会から孤立する恐れがある。 会話の際は周りに人がいないか注意するべきである。 また、未見者から質問されても決して秘密を明かしてはならない。 既見者:△、未見者:×、オープンSNS:×、クローズドSNS:△
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解説
- 「既見者」「未見者」は違和感のある単語だが、映画に「既読者」は変なのでこのように表記した
- 「オープンSNS」は、ネット上で誰でも閲覧可能な記事とする。個人ブログやツイッターがこれに該当する
- 「クローズドSNS」とは、制限付き公開されている記事とする。mixiやfacebookなど、ログインアカウントと友人申請が必要なものが該当する
ネタバレの功罪
ここで2014年の映画「ディス/コネクト」を紹介したい。
日本では単館系の公開だったので見た人は少ないだろう。
ストーリーは「SNSを通じて広がる誤解の中で戸惑う少年とその父親」というものであり、これだけでは食指が動くようなものではなかった。
しかし、ある映画サイトでネタバレ寸前の紹介を読んだところ、興味を惹かれて映画館に出向くことにした。
作品は思春期の少年の悩みを見事に描き出しており、素晴らしい内容であった。
もし「ネタバレ完全NG」であったなら、私がこの作品に触れることはなかっただろう。
ネタバレが良い方に働いた一例である。
ネタバレと言えば1999年の映画「シックス・センス」も話題になった。
サークル室で作品を見た者同士で感想を言い合っていると、他の部員から「何でネタバレするんですか!」と叱られた。
ネタバレを話す相手は正しかったが、話す場所が間違っていた例である。
ネタバレ事件
映画史上最大のネタバレ事件は「猿の惑星」(1968年公開)であろう。
DVDのジャケットにラストシーンのイラストと説明文が書かれているという言語道断なネタバレであるが、古典作品だから許されるのだろうか。
これを許可した宣伝部の方は、私生活をすべてブログに上げる刑に処されれば良い。
小説になるが「ハリー・ポッター」も出版時のネタバレ対策に費用を投じていることで話題になった。
どんなに対策しても発売日以降は意味がなく、6巻発売時(2005年)にはネタバレを書いた横断幕が高速道路に掲げられるイタズラがあったと聞く。
首謀者達は給与明細を一生公開する刑に処されれば良い。
一時期話題になった映画「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年公開)も、あまり知られていないがネタバレ映画である。
ヒロインのオドレイ・トトゥの役どころを公開前にバラした某新聞は、印刷部数が毎年100万部ずつ減っていく呪いがかかればよい。
また、2014年に俳優の高倉健が亡くなったとき各局こぞって「幸福の黄色いハンカチ」のハイライトを流していた。
ロードムービなのでラストの比重が高いわけではないが、知らずに見た方が楽しめると思う。
この判断を下したプロデューサは、寝室に武田鉄矢の特大ポスターを貼る刑に処されれば良い。