8月17日(日) Day 2 「ピラトゥス・ベルン」

朝食

Breakfirst アジアからヨーロッパを訪れると時差の関係で朝早く目が覚めてしまいます。朝1番に食堂へ行くと、他の宿泊客もウェイターも誰もいない・・・ まごしているとフロントの人がやってきて、「ご自由にどうぞ」と言ってくれました。

チーズの新品が封も切らずに置かれていたので「勝手に切っていいの?」と聞くと、「いいけど、君は日本人か?」と妙なことを聞いてきます。
実はこのチーズ、見た目は美味しそうなのですが脂肪分が少ないため、アジア系の人に評判がよくないんだとか。味見してみると確かにパサパサして味がない。それでも本場スイスのチーズだからと、2切れほど試してみました。パンに乗せてしばらく噛んでいると、何となく味がしてきたような・・・。まあ、次に期待という事で。

ピラトゥス(Pilatus)

GoldenRoundTrip 本日最初の目的地は「ピラトゥス山」。ルツェルン市内から湖上経由でアクセスできて、山頂からは湖が一望できる絶景スポット。

ゴールデン・ラウンド・トリップ

ルツェルンは湖に面した街なので湖上遊覧コースがたくさんあり、ピラトゥスへも周遊コースが出ています。船で山麓まで行き、登山列車で山頂へ、続いてロープウェーでルツェルンへ戻る「ゴールデン・ラウンド・トリップ」を回ってみる事にしました

遊覧船

午前8:00に遊覧船乗車。
朝から曇りがちの天候で、山頂は見えたり見えなかったり。その代り、雲間からさす光で湖上が照らされて「ロード・オブ・ザ・リング」の世界を見ているようです。ロケーション的には箱根に近いんだけど、スケールの大きさはさすが。

登山列車

GoldenRoundTrip 1時間ほどで山麓に着き、ピラトゥス鉄道に乗り換えます。この路線は世界一の急勾配、480パーミル(1000メートルにつき480メートル登る)もあります。スキー場の中上級者コースを列車で登るようなものでしょうか。無茶だなあ。
出だしは森の中なので傾斜はあまり気にならないのですが、視界が開けると湖が遥か下に見えています。短時間でこんなに上ったのかと驚き。さらに進むとすり鉢状の斜面が開けてきます。ここは観光案内によく出てくる撮影スポット。乗客たちもにわかにカメラを取り出してパチパチやっています。
山頂は残念ながら雲の中。着いた時は完全に真白で100m先も見えなかったのですが、周期的に雲が晴れて湖が見えます。

ピラトゥス山は体育の跳び箱のような形をしていて、斜面の両側で景色が大きく違います。登山列車で登る南側斜面は山と湖、ロープウェーのある北側斜面は牧草地帯。それが山頂から左右に一望できるのが素晴らしい。

ロープウェー&バス

GoldenRoundTrip 晴れていればトレッキングコースを回ってもよかったのですが、諦めてロープウェーで下山。
山頂駅は雲の中だったのですが、1分ほどすると急に雲が晴れました。どうやら山頂だけに薄い雲が張っていて、その層を抜けたようです。行きのロープウェーよりも視界が広くていい感じ。
30分の空中散歩を終えた後は、バスでルツェルン市内へと戻ったのでした。
これだけの大移動がわずか5時間。乗り換えもスムーズで感心しました。

08:15-09:25、ルツェルン→アルプナッハシュタッド/船/スイスパス
09:30-10:00、アルプナッハシュタッド→ピラトゥス山頂駅/登山鉄道/32Fr.(ロープウェー含)
11:45-12:30、ピラトゥス山頂駅→ピラトゥス山麓駅/ロープウェー/同上
12:50-13:06、ピラトゥス山麓駅→ルツェルン/バス
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ベルン(Bern)

GoldenRoundTrip 本日第2の目的地はスイスの首都・ベルン。列車の乗り換え時間の合間に1時間だけ寄ってみました。
駅前から延びるメインストリートを進み、市内と郊外を分ける川で折り返すと、ちょうど1時間。
道が石畳でちょっと歩きにくいけど、そのまま映画のロケに使えそうなぐらい重厚な景色には感心。地図で見ると小さな町だったのであまり期待していませんでしたが、もう少し滞在してもよかったかもと思えるきれいな街でした。

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世界の車窓から

GoldenRoundTrip ルツェルン→ベルンは1時間半、ベルン→フィスプが1時間。ここからローカル線に揺られて1時間でツェルマットと、都市間の距離が絶妙です。乗り換えも5〜10分の待ち時間に設定されていて、移動が全く苦になりません。ホームの案内は日本とほぼ同じで、電光掲示板に「何番線、何時何分発、どこ行き」と出るし、遅れることがまずないので、「この車両でいいのかな」と迷わずに済むのがありがたい。

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スイス国鉄はほとんどの列車に「1等」「2等」が用意されていて、列車の側面に大きく「1」「2」と書かれています。最初は「1号車」の意味かと思っていたら何台も「1」が続くのでようやく気付きました。
1等は日本のグリーン車相当。更に今回乗ったIC(インターシティ)という特急には「1等ビジネス車両」があって、そこでは電源と無線LAN(Swisscom)が使えるのです。
カメラ3台に iPhone まで持っていったので、移動中に充電できるのは助かります。ついでにネットワークに繋いでアルバムを更新したり、目的地の天気を調べたり。一昔前ならPCを持ち歩かないとできなかった作業が、手帳よりも小さい iPhone で済んでしまうとは、つくづく便利な時代になったものです。

14:00-15:00、ルツェルン→ベルン/IC2526/スイスパス
16:07-17:02、ベルン→フィスプ/IC828/スイスパス
17:10-18:14、フィスプ→ツェルマット/R253/スイスパス
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ツェルマット(Zermatt)

IMG_0157 本日の最終目的地、ツェルマットに到着。ここはマッターホルン山麓にある唯一の街で、夏は登山、冬はスキーでにぎわいます。
日本では、加山雄三の映画「アルプスの若大将」(1966年)に登場したことでその名を知られるようになりました(脳内情報)。
ここでは"Hotel Mirabeau"(ミラボー)に2泊します。
中心街から少し離れているのですが、4つ星らしく設備は充実してます。オープンテラスとミニバー設置、レストランからはマッターホルンが(何とか)見えて、宿泊客だと無線LANが無料、などなど。

散歩

IMG_0172 フロントでマッターホルン撮影スポットを聞いて、ツェルマット探検に出発。
川沿いに10分ほど進むとマッターホルンが眼前に迫ります。「スモーキング・マウンテン」の別名どおり、山の右側は晴れて、左側の斜面から雲が発生しているという、実に雄大な眺め。

ミッションクリア(1 of 3)

GoldenRoundTrip ふとあたりを見回すと、どこかで見たような景色です。あわてて iPod touch を取り出して「アルプスの若大将」のビデオを確認。どうやらここが、ロケを行った場所のようです。建物はだいぶ入れ替わっているけれど、橋の上のマリア像や、中心街の教会が同じなので間違いないでしょう。
左手の iPod で映画の場面を確認しながら右手にデジカメという苦しい姿勢をとり、映画と同じアングルで撮影。高校時代から憧れていた「若大将」の舞台にやってこれて感無量でした。

夕食

GoldenRoundTrip 日も暮れてきたのでレストランを探すと、「日本語でおK」な場所がたくさんあります。スイスは公用語だけでも4種類(ドイツ、フランス、イタリア、ロマンシェ語)、これに加えてロシア語メニューもあったりして、こっちのウェイターさんは大変そう。
ちなみに、アジア圏は日本語メニューだけで、韓国語や中国語は見ませんでした。いろいろ深読みしてしまいます。

IMG_0192.JPG ヨーロッパは禁煙が進んでいるかと思ったのですが、街中やロビーでは平気でプカプカやってます。レストランも例外ではなく、食後に吸っている人が2〜3組も居たのは驚きでした。
僕自身は煙草の煙が大嫌いで、歩きタバコの人を見るとこれ見よがしにハンカチを口に持って行ったりするのですが、スイスに比べれば日本の方がよほど分煙が進んでいます。日本に帰ったらスモーカーを目の敵にするのは、ほんの少しだけ控えようと、一瞬だけ思ったのでした。

帰国してから調べたところによると、ヨーロッパ内でもスイスは喫煙率が高いようです。他の嗜好品に比べて安く手に入るという背景があるからだとか。列車内が全面禁煙になったのも2005年12月からと、かなり遅い導入だったとのこと。