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呪いの花

北大のクロユリ群生地。ようやく満開になりました。
梅や桜と同じく、クロユリも開花が遅れていました。例年なら5月15日前後に咲くところが、今年は5月28日開花。
ここに群生地を作ってからの8年で最遅です。6月16日頃までは見ごろだと思うので、お近くの方はぜひお立ち寄りください。

今年は北海道新聞から取材の打診が来ていたのですが、「まだ咲きません・・・」「そうですか・・・」という悲しい連絡になってしまいました。
ようやく満開になったので6月6日に現地取材を受けてきました。いつ載るのかは聞いてません。

さて、クロユリを管理している黒百合会のホームページにここしばらくアクセスが微増しています。
(激増、でないのが残念ですが)
「群生地の開花シーズンだからかな?」と思っていましたが、検索ワードを見てみると少し様子が違うようです。
クロユリ団地」というアイドル主演のホラー映画が上映中なので、その検索の余波が来たようです。

クロユリの花言葉は「恋」「呪い」だから、まあ合っていると言えば合ってるんだけど。
これに便乗して群生地の知名度が上がったり・・・は無いか。

(6月16日追記)
道新の紙面に載らない事になってしまいました。よさこいの記事等でなかなか掲載タイミングが来ず、ようやく都合が付いたら花が終りかけてしまったからとの事。色々難しいですね。

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怒涛の春

今年はずいぶんと寒い日が続き、なかなか桜が咲きません。ようやく開花したのが5月13日。
例年より2週間近くの遅れでした。ちなみに、観測史上2番目に遅く、ここ30年で最遅だとか。

仕事帰りに桜の木を見て「週末は花見ができるかな」と観察していたのですが、今年はどうも様子が違います。
例年だと桜の花が一斉に咲き、花が散ってから葉が出てくるというパターンです。
今年は花が「そろそろ開くかな」という頃に葉も同時に伸びてきました。その結果、花が満開のときに葉も元気いっぱいで、ちょっと風情の足りない花見となってしまいました。
開花時期も短かったような気がします。

開花が遅いのは桜だけではありません。
梅も同じぐらい遅れて、ようやく開花宣言が出たのが5月19日。(北海道は桜の後に梅が咲くのです、念のため)
開花日に見に行ったのですが、ツボミがチラホラで花見にはちょっと早すぎました。
翌週は私用で花見にいけず、開花2週間の6月1日に見に行ったところ9分散りでした。なんだかタイミングが悪い。

ライラックの開花も遅れたので、今年は桜・梅・ライラックが同時期に見られるという、嬉しいのか勿体無いのか良く分からない花見になってしまいました。

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地図にない村

東急ハンズでレーザー彫刻を頼んでみました。
その名の通りレーザー光線を使って物体の表面に刻印してくれるサービス
刻印できるのはハンズで売ってる商品に限定されますが、木板、ステンレス、ガラス、iPhoneケースなど、対象は広い様です。

これで作ってもらったのは「部屋番号」。我が家では表札とは別に番号だけのプレートをドアに掲げているのです。(元ネタはイギリスのSF「プリズナーNo.6」)
今まではプリンタ出力を小さな額に入れて飾っていたのですが、数年経つと日焼けして読めなくなってしまいます。
まあ、プリント費用なんて微々たるものですが、折角だから永続性のあるものをと思ってレーザー彫刻を選んだ次第。

データはAdobeのイラストレーターでアウトライン化する必要があります。普通の人にはハードル高いのですが、画像処理が仕事だから難なくクリア。
ハンズで木材を選び、データと共に持ち込めば、一時間ほどで出来上がりです。
お値段は7×7cmの2480円。

自宅に戻り、背面にゴム磁石を貼り付けて出来上がり。ヤッター!
と思いきや、翌朝になると板が激しく反っていました。屋外に置いたので水分を吸って変形してしまったのでしょう。
水分が均等にしみ込めば平らになるはず、と放置する事1週間。なんとか元の平らな状態に戻ってくれました。

(おまけ)
写真はイギリスにある本物の「No.6」の表札です(2004年栗野撮影)。
40年以上も経った今でも、ロケ地となったホテル・ポートメイリオンには「プリズナーの村」を求めて訪れる人が絶えないのだとか。

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事実と真実

iPhone5の「パープル問題」が話題に上がっています。
カメラを強い光に向けた時、その周辺が紫色になってしまうというもの。手元のiPhone5でも簡単に再現しました。
ただ、フレアは条件が整えばどのカメラでも発生する物なので、取り立てて「不良品」という訳ではありません。

米Gizmode米Wired newsに取り上げられた事から一気に話題が広まりました。

気になるのが日本での報道のありかた。
まず、この問題は「フレア」であって「フリンジ」ではありません(詳細な説明はネットを見て下さい)。なのに何故か国内では「パープルフリンジ問題」という名称がまかり通っています。
専門外の人にはどうでもいい話だとは思いますが、「自動車」と「自転車」ぐらい違うので、間違った名称が流通している事に違和感を覚えます。

次に、パープル問題の原因が「赤外線カットフィルタを外したため」というのが定説になっている事。
手元のiPhone5で調べた所、赤外線カットフィルタは装着されています。これはテレビのリモコンを写せば簡単に確認できる事です。

大規模掲示板で「トラブルだ!」「回収だ!」と騒ぐ分には構わないと思いますが、WikipediaSlashdotのようなサイトまで事実を確認せずに「赤外カット〜」と書いてしまう人がいるのは、何だかなぁという気がします。

まあ、ウィキペディアは引用元を示して「そのような主張がある」という「事実」を集めるのが趣旨ですからね。
そこに書かれている事が「真実」だと思い込むのは、そもそもの使い方を間違えているとい事でしょう。

地味なケースですが、ネットを通じて明らかに間違った話が伝搬して行く様子は、ちょっと背筋が寒くなりました。

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世界は綿毛でいっぱい

札幌市内が真っ白です。原因はポプラ。
毎年6月には札幌市内のポプラが一斉に綿毛を飛ばして、まるで雪のように宙を舞います。例年は「ああ、飛んでるな〜」ぐらいで済んでいたのですが、今年はどういう訳か凄い量です。
赤レンガ道庁が吹きだまりになっているらしく、緑の芝生が真っ白。これは面白い。「珍百景」で「真夏に降る雪」として取り上げられないでしょうかね?

写真は積もった様子のクローズアップ。アリが捕まっているようにも見えますが、意外と平気に歩き回っていました。

綿毛に埋もれたクローバー。なんだかメルヘンな感じ。人形を置いて「痛写」を撮りたい所ですが、さすがに人の目が多くて厳しい(^^;)

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ちょっと通りますよ

金星の太陽面通過を見る。なんだか天文ショーが続いていますね。
金星が太陽の前面を通過するというイベントです。原理的には日食と同じなのですが、金星は地球から遠すぎるためにわずかな面積しか隠されません。よほど注意深く見ないと気づかない地味な現象です。

前回(2004年)は全く話題に上らなかったような気がしますが、今回は金環日食の直後で、まだみんな観測グラスを持っているので話題になったようですね。
次回は百年以上先の2117年という事から「最後のチャンス」として報道が煽ったのも原因かも。
いずれにせよ、世俗から超越した出来事に目が向くのは良い事だと思います。

僕としては観測するつもりは全くなかったのですが、日食や月食の写真をウェブに上げていたら「次は金星の日面通過が楽しみですね」というコメントを貰ってしまい、引くに引けない感じなので見てしまいました。

出勤前に適当な機材で撮ったのが上の写真。謙遜ではなく本当に適当なので、サイズも小さいしノイズだらけです。
お昼休みに食の最大を撮ろうかと思っていたら曇天に変わり、雨まで降り出しました。
そんなわけで今回の成果は上の一枚だけでした。

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欠ける空

今日は部分月食。今年は天体ショーが多いですね。
欠け始めは18時59分、最大食が20:03という見やすい時間帯です。
今回は別に見なくてもいいかと思っていたのですが、20時ごろに窓から外を見ると欠けた月が東の空にポッカリと浮かんでいます。
ネットで検索すると首都圏は曇っていて見えないとの事。晴れているのに見ないのは申し訳ない気がして、カメラと望遠鏡を引っ張り出してみました。

そういう訳で欠け始めは見ていないのですが、最大食から食の終わりまで撮りました。
写真は10分ごとの変化をフォトショップで並べたもの。実際の天空でこういう位置関係に見える訳ではありませんのでご注意を。
大きなサイズの画像 (3576x596pixel)を置いておきます。

蛇足ながら月食のまめ知識を。
先ず、日食の場合の開始終了時刻は観測する場所によって変化しますが、月食の場合は全世界で同時に始まり同時に終ります。

次に、通常の月の満ち欠けと月食では欠けたときの形が異なります(右図)。
通常の満ち欠けは光が当たった半球を見ているので、弧の両端を結んだ線は月の直径に一致します。
月食は満月の円に直径の違う地球の円が重なるので、弧の直径を結んだ線は月の直径に一致しません。図では再現していませんが、月食の場合は明暗の境界線がボヤけているのも特徴です。

また、地球の直径は月よりも大きいので、映画やアニメに出てくるような極端な弧を描いた月を見る事は出来ません。
小学校で習ったはずの事ですが、いざ考えてみると色々不思議ですね。

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雲黒斎の野望!

モイワ山の山開きに行ってきました。
山頂展望台は改修の為に2年近くも休業しており、昨年は山頂が更地でしたが、今年は立派な展望台が完成しているとのこと。

午前2時に自宅発、2:50登山開始、3:35山頂着です。
建物の中は様変わりしたのですが、屋上は、まあ普通に屋上ですね。手摺りが立派になった他は、言われないと新しい建物と気付かないかも。

展望台には例によって教育大生と北大生がたくさん。しかし残念なことに、10m先も見えないほどの濃霧です。
これはさすがの「太陽コール」も効かないなと諦めかけていたら・・・目の前の鉄塔が急に姿を現しました。

おや? と思って振り返ると嘘のように霧が晴れて、眼下に雲海が広がっています。
札幌のビル街は全く見えず、地平線の果てまで広がる真っ平らな白い世界。ここは大雪山系かと思ってしまうほど。

予定時刻より少し遅れて、雲海の中から御来光です。
白黒だった世界に赤い光が射して、雲海が立体的に見えます。なんという絶景!

いつまでも見ていたいところですが、平日なので引き上げます。
帰りも飛ばして30分。今年もいい山開きになりました。
張り切りすぎて土日は筋肉痛に苦しんだのは、また別のお話。

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金環日食5 その名はZ

日食の撤収を終えると午前9時半。飛行機の出発まで6時間ありますが、名古屋滞在はあと1時間が限度です。

とりあえずタクシーを捕まえ「名古屋城が見たい」と伝えて撮影スポットに案内してもらいました。
三カ所で停まってもらい、お堀や金のシャチホコなどを撮影。
そのままタクシーで名古屋駅まで。時間が無いとは言え、贅沢してしまいました。

近鉄線では三重県の「津」駅を通過。
ホームに平仮名で「つ」と書いてあるのはシュールです。
平仮名では日本最短の駅名ですが、ローマ字表記は”Tsu”となるため、鹿児島県の頴娃駅(えい/ei)、長崎県の小江駅(おえ/Oe)などが最短のようです。
しかし、「えい」「おえ」は二音節、「つ」は一音節だから、最短の称号は津駅にあげたいところ。
さらに調べると「津」はギネスブックには”Z”で登録されており、世界最短の駅名なんだとか。考えた人にはアイディア賞をあげたい。

駅はローマ字だと”eki”だから、英語の”Station”よりもはるかに短い。なんの利点もありませんが、”Z eki”は世界に誇れる最短「駅名」ですね。

近鉄名古屋-大阪難波(10:30-12:41)4650円、難波-関空(13:10-13:57)890円。

帰りのピーチも時間通りに到着。関空ー千歳(1535-17:30)
札幌市内は見事な夕焼けでした。
あの太陽が今朝は欠けていたのかと、思わず見入ってしまいました。
(日食編、おわり)

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金環日食4 決戦、第一新名古屋市

午前5時、目覚ましが鳴る前に目が覚めました。天候は晴れ。TVは日食のニュースばかり。これは期待できそう。
朝食を済ませていざ白川公園へ。

公園にはTVの中継車が陣取っており、アマチュア観測家もチラホラ見えます。
昨夜目星をつけた場所に観測機器を設置。準備万端です。
6:20に第1接触(日食開始)。公園には徐々に人が集まってきます。

このまま順調に観測できるかと思いきや、文字通り雲行きが怪しくなってきました。
全天の半分ほどが雲に覆われ、太陽が全く見えない。
雲の切れ間は見えているのですが、食までに晴天に戻るのか? 気が気ではありません。

金環5分前になっても太陽が見えず、これはもう無理かな? と諦めかけたところで、突然スパッと雲が消えてくれました。
第2接触(金環)になると一斉に「オオ~」という声。周り中が「見て見て」と声を掛け合ったり、ケータイで「見えるよ」と報告していたり、急にせわしなくなります。
金環2回目のベテラン(笑)の僕は、日食を撮るだけでなく会場風景も撮影。
何と言うか、日食という天文現象のみならず、日本中がたった一つの現象に注目している一体感も今回の見どころの一つでしょう。

2分間の金環が終わると蜘蛛の子を散らすように一般客が帰っていきます。
残っているのは明らかに元天文少年のオジサンたち(自分含む)。
同類の雰囲気を感じたのか、お互いに声をかけ合って機材紹介をしたり写真歴を披露し合ったり。
外人さんの団体からは「記念撮影するからウルトラマンの日食グラス貸して〜」と頼まれたりと、明らかに濃い空気の中で盛り上がりました。

FacebookやTwitterのアカウントを交換し合って解散。なんというか便利な時代になったものですね。
この中の何人かとは、2030年の北海道金環日食で会えるかもしれませんね。