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ビルの町にガオー

所用で東京へ。東京都現代美術館で開催されている「特撮博物館」を見てきました。10月8日まで。

「新世紀エヴァンゲリオン」などで有名な庵野秀明が館長となり、廃れつつある特撮文化を集大成したという意欲的な展示会。
「ウルトラマン」「ゴジラ」などのメジャー作品から、「トリプルファイター」「突撃!ヒューマン」などの「何それ?」作品まで、これでもかというほど小道具が展示されています。
ウルトラマンは昭和41年作品ですが、小道具の完成度は現代の目で見てもまったく遜色ない。ブラウン管の向こうの世界はちゃんと作られていたんだなあと感心しました。

展示物の大半が「個人蔵」となっていて、こういう草の根の努力が文化を守るんだなと思います。しかし、昔は撮影が終わった小道具を個人が持って帰れたりしてたんですね、大らかな時代だ。

本展示の目玉は短編映画「巨神兵 東京に現る」です。
「巨神兵」は宮崎駿のアニメ映画「風の谷のナウシカ」に登場する人型最終兵器。これをトクサツの技術で動かして、ミニチュアの東京を焼き払うという凄まじいコラボです。

ものすごく期待していたのですが、実際に見てみると、うーん、イマイチ良さが分からない・・・
伊福部マーチに乗って「ビルの町にガオー」「なぎ倒せっ!」な1960年代ノリを期待していたら、冒頭から林原めぐみのモノローグという1990年代ノリです。「僕たちの日常が壊れていく」系の演出で、世界観に入り込みにくかった。
押井守の映画ならこういう演出もアリなんだろうけど、9分の短編映画でこの方向性はどうなのかなあ。

技術的には腰を抜かすほど素晴らしくて、「これはCG・・・だよね?」と思った箇所が「発泡スチロールでした」「絵具を垂らしてます」だったのは驚き。
昭和中期から受け継がれた「トクサツ」の正しい進化形にして最高峰だと思います。

ちょっと気になったのが場内のレイアウト。
狭い空間を上手く蛇行させているとは思うのですが、所どころ雪隠詰めになっていてどう回ったら良いのか不明な箇所も。
短編ビデオ上映ブースはすぐに人が詰まってしまって歩きにくい。例えば、行列のできる展示(オプチカル合成の説明とか、模型撮影ブース)で行列に並びながらビデオ上映が見れたらいいのに。
全体的に「もーちょっと動線を考えてほしいなあ」という印象でした。

あれこれ書いたけど、昭和のSF少年はぜひ見に行ってください。「科学技術が築く明るい未来」を無条件に信じていたあの頃に戻れます。
ザッと見ただけなのに3時間経過していました。

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高原は招くよ

写真は愛用のコースター。

もうすっかり「景色」になっていて、いつ買った物か気にしていませんでした。
「妙高高原」と書いてあるということは、たぶん1992年に行った赤倉温泉スキー場。地味に20年選手でした。
観光地の土産物なので品質は気にしてなかったけど、ヒビ割れも変形もありません。
信頼される仕事って、こういうことを言うんだなと、感心してしまいました。

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ひとよひとよに

8月13日は「夜景の日」です。
一体どんな由来が? と思ったら「13はトランプで”K”だから、8/13は”8-K”で”やけい”」とのこと。
函館観光協会などが1991年から実施しているそうです。なかなかセンスが光りますね。

他の「○○の日」を探してみたところ、毎月22日は「ショートケーキの日」だそうです。
これはカレンダーで常に15日が22日の直上にあることが由来です。
「15=いちご」が上に乗っているからショートケーキ。なるほど。

日本語の語呂で覚えるというセンスは独特のものがあります。
円周率だと「産医師異国に向こう」で”3.14159265″まで表す素晴らしさ。
平方根の√2=「ひとよひとよにひとみごろ」は一夜ごとに花の見頃が近づいてくる様子を表すという優雅な内容。これで小数点以下8桁とお得です。

これが英語だと”Yes, I have a number”で”3.1416″。綴りの数を数える(Yes=3,I=1)と分り難い上に桁数も少なく、数字が丸められているという使いにくさ。

語呂合わせは一歩間違えるとオヤジギャグになってしまいますが、頑張ってセンスの良い記念日を増やして欲しいものです。

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スカイツリーの謎

スカイツリーの入場券が取れました。
かなり混雑しているという話を聞いていたので「半年先まで売切れ、みたいな感じかな?」と思っていたら、東京に行く日にちょうど空きがありました。
さて、いざ取ろうとしたら、む、難しすぎる・・・

スカイツリーのウェブサイトから「ネット予約についてはこちら」をクリックすると、そこは条件分岐の嵐。
「入場日は7月10日以前か?」「個人か団体か?」という分岐がダラダラと1ページに書かれていて、「自分が何に該当するのか、全部読まないとわからない」という素敵仕様です。これ考えたヒトは、「自販機のボタンを100回連打しないと購入できない刑」でいいと思うよ。

苦労して全文を理解し、「Webチケット」をクリックすると、今度はチケットぴあが管理する別のページに飛ばされます。そこでも微妙に異なる文言の条件分岐が・・・。まあ、内容は同じなんでしょうけど「同じ」かどうかは全文読まないと分からないよね。
これ作ったヒトは「新明解国語辞典の第3版と第4版の違いを手で書き出す刑」にしてほしい。

更に、チケット購入にはスカイツリー用のアカウントを作る必要があります。殆どの人は一生に一回しか行かないだろうに、なんでわざわざアカウント作る必要があるんだろう・・・

文句を言っても仕方ないので、アカウントを作成してクレジットで決済。すぐに予約完了メールが送られてきました。この辺の素早さは、さすがネットという感じですね。
ちなみに紙のチケットは当日まで発券できません。指定された時間内(猶予はたったの30分間)に券売機に並び、購入時に使ったクレカを差し込むとチケットが発券されるという仕組みです。

面倒くさいのは確かですが、転売防止で仕方なかったんだろうなと同情はします。
発券にはクレカが必要としたことで、ネットでの転売は殆ど防止できます。逆にオークションでスカイツリー入場券が売っていたら、まず間違いなく詐欺ですのでお気を付けください。
また、発券をわずか30分に絞っているので、現地で大量発券して転売というのも難しいでしょう。
過去の転売の手口をよく調べて対策してあるなと思います。

予約完了して一息ついたあとに最大の謎が待っていました。スカイツリーのページを見ると「発券にはクレカと購入時メールの2点が必要」という不思議な文言が書かれています。
チケット発行で「クレカ、または購入時メール」という話は聞きますが、「クレカ、かつ購入時メール」というのは聞いたことがありません。
クレジットカードの持参者が購入者であることを疑う理由はないのですから、カード以外が必要というのは不思議です。しかも、要求するものが「メールを印刷したもの、またはメール」と非常に緩い(いくらでも偽装できる)ものになっています。
一体なぜ、こんなアンバランスなルールになっているのでしょうか?

ここから先は想像ですが、「券売機のシステム上は指定時間外でもチケットが受け取れてしまう」のではないでしょうか。
「メールまたはメールのコピーを持参」などとアバウトな条件判定は人間の係員がいないと対応できないので、券売機の前では「人の目でメールを確認して、指定時間内の人だけに券売機を操作させる」というチェック体制が取られているのだろうと想像します。
もし仮に「指定時間以外の発券は一切不可能」というシステムにしてしまったら、天候などのトラブルで入場時間が乱れた時に対応ができなくなってしまいますからね。

そんなわけで、「メールで入場時間を確認」という緩いチェックをすり抜ければ、指定された時間外に券を受け取ることも可能なのかもしれません。
転売ヤーの狡猾さは目を見張るものがありますから、抜け穴ができないように頑張ってほしいものです。

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世界は綿毛でいっぱい

札幌市内が真っ白です。原因はポプラ。
毎年6月には札幌市内のポプラが一斉に綿毛を飛ばして、まるで雪のように宙を舞います。例年は「ああ、飛んでるな〜」ぐらいで済んでいたのですが、今年はどういう訳か凄い量です。
赤レンガ道庁が吹きだまりになっているらしく、緑の芝生が真っ白。これは面白い。「珍百景」で「真夏に降る雪」として取り上げられないでしょうかね?

写真は積もった様子のクローズアップ。アリが捕まっているようにも見えますが、意外と平気に歩き回っていました。

綿毛に埋もれたクローバー。なんだかメルヘンな感じ。人形を置いて「痛写」を撮りたい所ですが、さすがに人の目が多くて厳しい(^^;)