7月31日から札幌で電動キックボードLUUPのサービスが始まりました。
LUUP社が”電動アシスト自転車”レンタルサービスを始めたのが2020年。法改正によって”電動キックボード”が道路を走れるようになったのが2023年、この年から本格的な電動キックボードのシェアリングサービスが始まりました。
LUUP社のサービスは東京、横浜、京都、神戸、名古屋と広がりを見せましたが、札幌にはなかなかやってきませんでした。
札幌は人口は多いものの、冬場は運営できないデメリットがあるので進出の営業判断に時間がかかったとのことです。
本州から遅れること2年、2025年にようやく札幌でも電動キックボードのシェアリングサービスが始まったというわけです。
札幌での周知活動にはかなり力が入っていて、サービス開始から1週間は「初乗り30分まで無料」という太っ腹なサービスが提供されました。
せっかくなので、計7回、2時間、20kmほど乗ってみました。
普段からロードバイクで車道走行しているので、キックボードも特に違和感ありません。直立姿勢で乗るので後方確認が楽なのと、ペダルを漕がなくて良いので運転に集中できて、ロードより安心なぐらいでした。
とはいえ、現状でLUUPが社会に受け入れられるかというと、かなり厳しいと思います。
そもそもクルマのドライバー側が「自転車はどのように走ることになっているか」というルールを知らないので、二段階右折や左折レーン待機などは道通法を守っていても「迷惑」と言われそうです。
また、路上駐車を回避するときは路駐車のドア開けを警戒して第1車線の右側を走ることになりますが、路駐車からは「右から抜くな」、後方車両からは「第2車線に近づくな」と思われていそう。
日本の道路交通法と道路構造が自転車の車道走行に対して整備されておらず、ドライバーも自転車ルールを知らない状況で、「無免許キックボードの車道走行」を許可してしまったのは、ずいぶんチグハグな対応だなと思います。
結局のところ、ドライバー側は「クルマ以外が車道を走るな」が本音なのでしょう。「自転車」に文句を言うと自分自身に跳ね返ってしまいますが、電動キックボードが相手なら「自分は乗らない」ので、安心して文句が言えるのでしょう。
現在のように「クルマ様最優先の道路行政」では、自転車やキックボードが安心して車道を走れるようにはならないでしょうね。
ライダーにできるのは、ヘルメットを被り、交通ルールを守って、「真面目なライダーもいる」とアピールすることぐらいしか思い当たりません・・・