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4億の軌跡

東京二日目は特に予定なし。
お台場の「ガンダムフロント東京」に行ってみました。
2009年に作られた「実物大ガンダム」を始め、ア・バオア・クーや実物大コアファイターが展示されているという新たな聖地。

歴代のガンプラを展示したスペースが凄まじい。
各時代の1/144スケールを並べることでガンプラの進化の様子がよく分かります。

ガンプラには大きく4つの転換点がありました。(俺調べ)

1.ポリキャップ
可動軸を円柱状のゴムで覆うことで関節の「ヘタリ」を無くし、パーツを塗装後に組み上げる事ができるようになりました。
2.「ムーバブルフレーム」という考え方

初期のガンプラは装甲がそのまま関節のヒンジになっていたのですが、ムーバブルフレームでは先ず可動する骨格が設計され、装甲はフレームに被せる物という考え方です。
これによりデザインはより精緻になり、スケールモデル並みのリアリティが生まれました。
3.色プラ
パーツ毎に色の違うプラスチックで成型することで、色を塗らなくてもアニメの設定どおりの色分けができるという代物です。
組み上げるだけで見栄えがすることから、ライト層の獲得に貢献したと思います。
現在の色プラは一つのパーツが一つの色ですが、初期には1パーツ3色という驚異の成型技術を駆使したプラモデルもありました(機甲戦記ドラグナー)。
4.スナップフィット
接着剤を塗らなくても、パーツをパチっとはめ込むだけで組み立てられるものです。
今となっては信じ難いことかもしれませんが、プラモデル用の塗料や接着剤は溶剤にシンナーが使われているため、ある種の中毒症状があるとしてPTAから目を付けられていた時期があるのです。
プラモデルを「健全なホビー」にするためには色プラとスナップフィットは不可欠だったのだろうと思います。バンダイ偉い。

ガンプラは累計で4億個の出荷数を誇るそうですが、「ガンダム」の人気におんぶに抱っこしているわけではなく、プラモデルの技術革新という努力に裏付けられているのでしょう。

肝心の展示物ですが、モノは良くできているのに照明がイマイチ。
ア・バオア・クーはディティールが潰れて巨大感が出ていない。ドームシアターは外光が入って映像のコントラストが損なわれているなど。
美術館の学芸員さんを招いて照明設計を見直した方がいいような気がします。

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風の便り

陶芸部のOB会で東京へ。
これまでずっとOB会は京都で開かれていたのですが、関東在住の人が多いので試しに東京で開催することになりました。
前回から実に4年ぶり。

古いメンバーと連絡を取ろうとすると、世の中は変わったなあと改めて思います。
僕が学部の頃から携帯電話というものは存在していましたが、会社役員とか芸能人とか、限られた人しか所有できないシロモノでした。
余程親しかった友人なら卒業後に電話することも無くはないという程度で、同級生の消息を知るには年賀状かOB会、あるいは風の便りしかなかったのです。

今は正にインターネット時代。
SNSに登録しておけばお互いの日常は(世界中どこにいても)筒抜け。
何年も会っていない人でも、近状が分かっていれば「来週京都に行くよ」と連絡が取りやすくなります。
つくづく便利ですね。

さて、肝心のOB会ですが、下は卒業したばかりの若手から上は僕まで・・・・
そう、僕の同期は誰も参加せず、3学年下の人たちから数名ずつ。
幹事に「ぶっちぎりで最年長ですよ」と言われてしまいました。

確かに、FacebookやTwitterでも同期は見かけませんけどね。
デジタルデバイドという目に見えない壁がこんなところに有ったとは。

そんな訳で、午後2時という健全な時間にスタートし、午後8時というこれまた健全な時間に三次会が終了したのでした。
家庭を持つと健全になるんだんあ。

次回は京都開催を目指すそうです。
古いOBを誘って「最年長」を返上しなくては。

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旧手宮線

小樽雪あかりの路のボランティアに参加しました。昨年に続き2回目。

今年は旧手宮線の会場に配属されました。当日の気温はマイナス6度でしたが、昨年ほどには寒くない。
小樽市内は運河付近の湿度が高いため体感気温がものすごく低くなり、丘の上の小樽駅に向かうに従って暖かくなるという構造のようです。
手宮線は周りを建物に囲まれていて、あまり風が無いのも幸いでした。

僕の作業はスノーキャンドルの作成・補修です。先ずは吹雪で劣化してしまったキャンドル3基を新しく作りました。
ソリに雪と水を入れてかき混ぜ、粘土状になったところで丸めます。雪と雪をくっつけるためには水浸しにした方が良いとの事でしたが、これがかなり冷たい。
途中から「雪玉製造機」が登場して、少し楽になりましたが。

4人で作業しているとあっという間に午後4時半、点火の時間です。
2人1組になって蝋燭にガスバーナーで点火していきます。
ガスバーナーよりもチャッカマンの方が安全では?という気がしましたが、主催者によると「寒過ぎてガスが気化しないので、チャッカマンは使えない」との事。ガスバーナーもボンベを常に覆っていないと冷え過ぎて使えなくなることもあるのだとか。さすがは雪国です。

バケツ一杯の蝋燭を次々と点火。
日が沈むと観光客が増えてくるので、時間との勝負です。
作業を終えて会場を振り返ると、キャンドルが美しく光っています。とても自分で作ったとは思えない神々しさ。
観光客の「すごい」「素敵」という歓声に癒されます。

運営によれば、雪あかりの予算は2000万円程だとか。この金額で50万人を呼ぶイベントが運営できてしまうのは驚きです。ぜひ来年も参加しようと思いました。

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さっぽろ雪まつり2

市民雪像が完成しました。

今年は製作中に雨が降ってしまい、雪がズブズブな状態でした。
まるで発泡スチロールの様にサクサク削れてしまうので、会期中に倒壊してしまうのでは? と心配したほど。

最終日、皆が心配な面持ちで集合すると雪像はカチカチ。昨夜は気温が下がったため、程よい固さに雪が固まってくれました。
まるで製作スケジュールに合わせてくれたかのような気温の上げ下げ。
フクロウ親子は図面通りに仕上げることができたのでした。
動画や図面はこちらから。

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ミクミクにしてやんよ

今年も市民雪像を作ることになりました。西6丁目11番「Owl love」。名前の通りフクロウを作ります。
近くの方、ぜひお立ち寄りください。遠くの方、LCCだと安いですよ。

そんな訳で市民雪像の講習会に参加してきました。
実際に雪を削る前に粘土模型を作り安全性をチェックするという、主催者開催のお硬い集まり。
皆さんはもう忘れていると思いますが、昨年は「初音ミク事件」が起きまして、今年から雪像作りのレギュレーションが変更されることになってしまいました。

初音ミク事件とは、初音ミクの雪像が会期中に倒壊し、落ちた雪の塊で通行人一名が怪我をしたというもの。
滑って転ぶ人は毎年いるものの、雪像が直接事故の原因となったのは雪まつり史上初めて。しかも全世界的バーチャルアイドル初音ミクの「首」が転がり落ちたという話題性から、「日本では雪だるまが壊れたらニュースになるらしいぞ」など、面白おかしく報道されてしまいました。

これを受けて実行委員会もかなり苦労したようです。
これまで雪像の事前講習会は任意参加だったのに、今年から参加義務に変わってしまいました。
市民雪像も通路から離して設置するようです。
きちんと責任を認めて、原因究明→対策という流れは理解しますが、「市民雪像を厳しくするのは筋違い」というのが僕の意見です。

そもそも雪まつりりの雪像には、「大雪像」(自衛隊が作る10m越えのもの)、市民雪像(市民が思い思いに作る2m立方のもの)、国際雪像(海外から招待した専門家が作る3m立方のもの)、企業雪像(企業が宣伝のために作るもの、大きさは任意)など、様々な種類があります。
事故を起こした初音ミクは「企業雪像」であり、市民雪像とは異なるレギュレーションで作られています。(大きさ、文字の使用可否、デザインの制約など)

倒壊したミクは僕のグループの3つ隣だったので、制作過程は近くで見ていました。
大きい頭部の割に首が細く、特徴的なツインテールも再現しており、見るからに危うげなデザイン。
当初はレリーフのように削っていたので変だとは思いませんでしたが、何時の間にか中刳りされて足で自立する構造になっていました。
しかも、心棒も入っていなかったとの事。まあ、壊れてアタリマエです。

これが市民雪像だったら、設計段階で却下されていたと思うんですよね。
おそらく「造形のプロだから」「バランスも考えて」「凝結作業もする」という説明のもとに許可されたのでしょう。
結果として倒壊してしまったのだから、造形がどうのというより「レギュレーションは大事ですね」という話にしかならないと思います。

そして今年。蓋を開けると「市民雪像のレギュレーション強化」という話になっちゃってるんですよね。いくら何でもその理屈はおかしい。
どれぐらいおかしいかというと、F1でレースカーが事故を起こした事を理由に、日本の一般道の制限速度が厳しくなる、ぐらいの話なんですよ。

そのレギュレーションも、安全強化の為に意味がある内容なら受け入れます。
ところが、発表された変更は「台座の位置は変更せず、台座に乗った雪像を50cm後退させる」という不思議なもの。
雪像が転がり落ちるという事態に50cmのマージン増が有効とは思えません。
しかもこの変更で、雪像の背面のキャットウォークがなくなり、作るときに少し危険が増してしまったのです。
観光客の安全は大事だけど、作る人の事も考えようよ? という感じ。

まあ、これは誰が悪いという話ではなく、市民と実行委員会が意見を交換しながら落とし所を見つけて行くしかないのでしょうね。